9月8日、米国テスラモータースが日本にてモデルSの納車を開始しました。
 昨年5月、まだ日本に1台しかなかった頃に乗る機会があり、先進性と快適性を
 兼ね備えた電気自動車だけに、市販の出現を楽しみにしていたものです。
ところが、今回の式典を見て「ビリビリ!」ときたものがありました。それは何と、
 日本向けは右ハンドルに直して出してきたではありませんか。
クルマはご承知のように、日本などが採用している右ハンドルと、その他欧米などが
 採用する左ハンドルがあります。最初から両方とも計画していれば問題ないのですが、
 確かモデルSは米国販売だったので、左ハンドルのみで計画されたと聞きました。
つまり後から右ハンドルを開発したのであり、クルマ屋から言うと、実はこれは
 かなり大変なことです。ステアリング位置、ダッシュパネル、ペダルレイアウト、
 ディスプレイレイアウトなどかなりの部分を一からやり直さなければならず、
 最悪の場合、現在量産している左ハンドルの車体まで影響を受けることとなります。
 おそらく、テスラ技術陣は四苦八苦しながら開発したのではないでしょうか。
なお、テスラは、今回のモデルS以外にも、米国で今秋発売予定のSUV版である
 モデルX、さらに2017年に廉価版(価格は35,000ドル前後)のモデル3も投入予定です。
また、9月4日には約5,000億円投じるギガファクトリーをネバダ州に設置することを
 アナウンスしました。日本の自動車メーカーが電気自動車に対して開発や投資を躊躇
 している間に、どんどん先に行ってしまっています。
筆者だけではないと思いますが、最近、EV/PHEV、自動運転車やグーグルのテレマである
 「アンドロイドオート」、ワイヤレス給電など、新技術に対して世界の中で地盤沈下が
 著しくなってきたように思えます。1980年に出版された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」
 ではないですが、バブルを経た後、日本経済が凋落したことを思い出す時期に来て
 いるのではないでしょうか。