エレクトリフィケーション コンサルティング ホームページ

e-mobilityコンサルタント/ 新商品開発コンサルタントです

自動車100年塾

自動車100年塾 第1回設立記念ワークショップの開催 

2015629日、『自動車100年塾 第1回設立記念ワークショップ』を多くの方々にご参加いただき、成功裏に開催することができました。ご参加いただいた方には厚く御礼を申し上げます。講師としてNPO法人産学連携推進機構理事長の妹尾堅一郎先生をお招きし、予定時間を大幅に超える情熱溢れる講演をしていただきました。自動車産業が抱える課題と、今後どのように進むべきかについて、多くの示唆をいただいたような気がします。

             

自動車100年塾設立趣意書

 わが国の自動車産業は、1907年(明治40年)に純国産では初めてのガソリン車が実用化されて以来、100年余りの歴史がある。その就業人口は、関連産業まで含めれば約550万人に上り、日本の就業人口全体の約9%を占めている。また2014年における国内大手自動車メーカーの生産台数は、国内約920万台、海外約1720万台の総計2640万台に達し、世界生産全体の約3割を占める。我が国の屋台骨を支える産業といっても過言ではない。

 円安という追い風もあり、営業利益で過去最高を達成する企業が相次ぐなど、現在の日本の自動車産業の業績は極めて良好である。しかしながら、次の100年を見据えた場合、日本の自動車産業の基盤は盤石といえるだろうか。クルマのパワートレーンは、ガソリン車が主流の時代から、ディーゼル車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、そして最近では燃料電池自動車が登場するなど多様化が進んでいる。一つの企業ですべての領域における競争力を確保することは難しい局面になりつつある。
 

 さらに大きな変化は、クルマの知能化が急速に進んでいることである。ドライバー支援システムの普及と、その先にある自動運転技術の実用化は、自動車産業のありようを大きく変えていく。自動車産業は、IT技術と連動しながら、車両単体のビジネスから、都市内、あるいは都市間の「移動インフラ」のビジネスへと変貌する算が強い。こうした非連続的な変化は、日本の自動車産業の存立基盤を根底から覆す可能性がある。

 こうした非連続的な変化に対し、危機感を抱く業界関係者は少なくない。しかし、その多くは、従来型のビジネス志向にとらわれがちであり、どのように他分野の方々と知見を交換し、どのように行動すれば良いのか逡巡しているのが実情である。

 こうした状況を打破するには、将来のあるべきビジョンを、企業の枠を超えた議論を通して構築し、関係者の知見や視野を広げ、交流を深める場が必要である。私たちは、次の100年も世界の自動車産業をリードし続けるために、このような場を提供し、具体的な行動を起こすためのプラットフォームとなることを目指して、ここに「自動車100年塾」の設立を発起する。


2015年4月1日
自動車100年塾
発起人 代表 和田 憲一郎
   鶴原 吉郎
宮尾 健