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06月

2015年6月15日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

6月14日は、正直、打ちひしがれた一日でした。
というのは、千葉市美術館で開催されている『ドラッカー・コレクション 珠玉の
水墨画』展を見に行った時のことです。

ご承知のとおり、P.F.ドラッカーは30冊以上の著名な本を上梓し、「マネジメントの
父」と呼ばれていますが、一方では日本画の愛好家としても知られています。

このドラッカーが生前購入した水墨画を集めた展示会があるというので、行く前は
単にあちこちにある水墨画を集めたのではと、半分たかをくくっていました。

しかし、実際に行って見てみると、生涯を通じて、室町時代から江戸時代にかけて
200点以上の日本画を購入しており、今回はその中から111点が展示されているとのこと。
有名なものや貴重なものもあり、眼力の高さに驚かされたものでした。

また、購入する際も「真に語りかけてくるもの、家の中で共に暮らしたいと感じる
ものを基本に選んだ」とのことです。

多くの方からなぜ日本美術を収集し鑑賞するのかとの問いに対し、「正気を取り戻し、
世界への視野を正すために日本画を見る」と常々言っていたと妻のドリス・ドラッカーさん
は語っています。まさにこの文章を読んだとき、ビリビリ!とした瞬間でした。

ドラッカーは、日本画について、西洋絵画はルネッサンス以降に幾何学的となり、
中国絵画は代数的手法であるが、日本画は余白を重視するトポロジカル、つまり
位相幾何学的なことに特徴がある。そのため、空間を現実とみなし、視覚化する
ことでデザインを完成させていると考えていたとのこと。

さらに、ドラッカーの収集は江戸時代の禅画にまで及び、白隠禅師や他の禅師が描く
禅画に数多くのショックを受けたと語っています。

スティーブ・ジョブズが禅宗に傾注し、白隠禅師を尊敬していたことは伝えられて
いますが、今回の展示会で点と点が線で繋がったかのような感覚を覚えたものです。

同じ人間ですが、偉大な人は、時間・空間・国境を越えて、そこに心の拠り所を求め、
逆に我々は身近にいながら、感覚的にも鈍く、その良さにも気づいていないことに、
改めて打ちひしがれた一日でした。

また明日から気持ちを入れ直して挑戦ですね。

 

2015年6月1日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2015年5月29日、初めてとなる『自動車100年塾 第1回設立記念ワークショップ』を
開催し成功裏に終えることができました。当日は、自動車メーカー、部品メーカー、
電機メーカー、ITメーカー、住宅メーカーなど多彩な方々にお集まりいただき、
ご参加いただいた方には厚く御礼を申し上げます。

本件、構想から4ヶ月でこのような盛大な会を催すことでき感謝に堪えません。
当日は、講師として「NPO法人産学連携推進機構」理事長の妹尾堅一郎先生をお招きし、
『ロボットとしての自動車、サービスとしての自動車』というテーマにて、予定時間を
大幅に超える情熱溢れる講演をしていただきました。

私も引き込まれるようにノートを取り、終わってみるとノート8ページにまでなって
いました。多くの示唆に富んだ話がありましたが、特に印象に残っている内容は
「上位レイヤーでイノベーションを起されると、下位レイヤーの産業は壊滅する」
という言葉でした。

現在起こっている異業種格闘技の中で、自動車産業がいつまでも上位レイヤーで
いられるのか、はたまた異業種の従属になってしまうのか、まさに考えさせられる
内容であり、ビリビリ!とした瞬間でした。

講演終了後には、妹尾先生の問題提起に対して、チームを編成し、自由討議による
グループディスカッションを行いました。これも企画段階から、単に講演を聞いて
帰るのではなく、参加者同士が講演内容に対して、どうとらえたのか、今後どうすべき
なのかを議論することで、内容が一段と深まると考えたからです。

その後、ファシリテータによる発表を行い、さらに妹尾先生から問題認識と今後
へのアドバイスもいただきました。まさに二重に学んだような気がします。

この塾は3ヶ月毎に開催を計画しており、次回は9月初旬の予定です。次回ご都合
つく方は、追って連絡致しますのでご参加いただけると幸甚です。