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08月

2014年8月2日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

時代は少し遡りますが、2010年3月にDC急速充電に関する協議会(チャデモ協議会)
が設立されました。これは急速充電器を通して電気自動車にDCによる大電流の充電を
行う方式ですが、多くの識者から、この方式を活用して、電流値は異なるものの、
逆に給電(つまり電気自動車から家への充電)ができるのではと言われました。

私も全くの同意見であり、自動車会社各社や行政と調整を試みましたが、うまく
いきませんでした。その最大の理由は、電気自動車はまだ出たばかりで市民権が
なかったこと。チャデモ方式も名乗りを挙げたばかりで、国際規格標準化に至って
おらず、さらなる拡張仕様などに時期尚早と思われており、なかなか相手に
されなかったことが思い出されます。

その後、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、電力供給不足が顕著となり、
各地にて停電が続いていたことから、電気自動車の持つ大容量の電池をなんとか
アウトプットして、市販の家電製品などを使用できないかと多くの問い合せが
あったものでした。

それに呼応したのが、三菱自動車「MiEV power BOX」であり、その後に市販
された日産自動車の「LEAF to Home」でした。

ただ、やはり電気事業法など法律の壁は厚く、系統連系の問題、さらには
チャデモ方式が国際規格標準化にいつ認定されるのかなど、不確定要素が多く、
画策は行うものの、いつ実現できるかは見通せていませんでした。

それから約3年を経た今年、7月に三菱電機、そして積水化学工業から、系統・太陽光・
電気自動車をシームレスに繋ぎ充電・給電が可能となる本格的V2H商品が発売されました。

私自身、当時から成し遂げられなかったことだけに、自分のことのように嬉しく
思いました。当時は、自動車会社がこの役割を先導すべきと考えておりましたが、
今回、住宅メーカー、V2Hパワコンディショナーメーカーが協力して成し遂げて
くれました。

本件について、今回取材を行ったのですが、過去から経緯を知る私にとっては、
よくここまで仕上げていただいたと、思わず感謝とともに、ビリビリ!と感じて
しまった次第です

今回の突破口により、系統~家~電気自動車とが繋がり、「Connected Vehicle」と
呼ばれるクルマと全てが繋がる時代が近づいているように思えます。
いよいよ第二幕の幕開けとなるのでしょうか。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/31/news016.html