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e-mobilityコンサルタント/ 新商品開発コンサルタントです

03月

2015年3月20日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

3月19日、一般社団法人 燃料電池開発情報センター主催のミニ勉強会に、パネル
ディスカッションのパネラーとして参加しました。

今回のテーマは【未来自動車】ということで、自動運転車技術や、EV/PHV/FCVの
現状と将来動向について、パネラーが自由に語ることができました。

さて、その中ではっと気がついたことがあります。
パネラーの一人がパテントの専門家であり、自動運転に関してグーグルが出願して
いるエリアと、日系自動車メーカーが出願しているエリアがかなり異なっていると
指摘していました。

つまり、日系企業はクルマの運転システムや通信システム、要素技術に集中しており、
グーグルはどちらかと言えば、陸・水・空中・宇宙での位置、進路、高度制御方法、
道路上の車両に対する交通制御システム、印刷文字、手書き文字などの図形認識技術
などに集中しているようです。

以前の日経Automotiveにて、グーグルは自動運転のクルマを作るというより、都市管理
システム、交通管理システムを重視し、自動運転車は都市端末の一部としてとらえて
いるのではと提起がありました。

結局、グーグルは都市・交通・クルマに関連する情報を全て手に入れようとしており、
それを活用して新たなビジネスの構築を目指しているとの考えです。

今回パテントの出願エリアと、企業買収しながら都市・交通・クルマの情報を集めて
いる話との整合性がとれ、思わずビリビリ!とした瞬間でした。

メディアは、自動運転車という表面上の事象を取り上げがちですが、人々が集まる都市
にフォーカスし、社会全体のシステムを把握しようとする「大きな投網」を掛けていく
戦略があるように見受けます。

ひるがえって、日系自動車メーカーや部品メーカーはどこまで見えているでしょうか。
既視感ではありませんが、携帯電話という範疇にこだわっている間に、PC端末や音楽配信
など、別のビジネス形態にて攻め込まれたケースと似ていることはないでしょうか。
ビジネスに携わる人の知見を高め、視野を広げ、戦略的に考えることのクセをつける
場が必要ではと思うこの頃です。