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2014年10月27日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

2014年10月27日 和田憲一郎のビリビリ!とくる話

「えっ、これどうやって作るんですか?」

先日、ある中小企業を訪れた時、出されたサンプルを見て思わず、そう聞いて
しまいました。それは板金プレスでありながら、まるで樹脂成型品のような
複雑な形状をしていました。

私も設計を20年以上やっていたので、およそのモノは見ただけでどうやって
作るのか分かるのですが、その時はしばらく考え、その後、その会社社長に聞いた
ところ、だいたいそのプロセスを当てることができました。

その時ふと思ったのです。こんな設計は普通しないよなと。最近はCADにて設計を
行うことから、完成形は判ったとしても、それをどう作るかはビジナー設計者だと
意外に頭に入っていないことがあります。このため、完成形だけではなく、それを
どう作るかも頭に描きながら設計するように、常に教えていたものでした。

でも、上述の複雑なモノを見て、こう思ったのです。
・容易に作れるように設計する⇒ 誰でも作れてしまう。
・出来そうにないけれど、要求があるため図面を描き、できる企業を探す
 ⇒ 一部のプロと言われている企業は、それを成し遂げる。

このような構図も成り立つのではないかと。作り易い設計だけが全てではない。
設計経験が長いにも係らず、思わずビリビリ!とした瞬間でした。

日本のモノ作りに於ける価値、そしてこれから生きる道も、意外にこのような
ところにあるのかもしれません。また、複雑だからコストが高くなるかと言えば、
最近の技術がそれをカバーし、いろいろなメカを構築することでツギハギ製品より
安価にできることもあるようです。

既成概念でとらえることの恐ろしさを思い知らされた一日でした。

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