TESLA MOTORS モデルSを試乗
TESLA MOTORSにて、まだ日本に1台しかないモデルSを試乗してきました。TESLAのクルマは、パリモーターショーでのロードスター以来ですが、モデルSは格段に進歩し、とても扱いやすいクルマに仕上がっていました。
制約のない中でのクルマ作り
・一般的に電気自動車を開発する場合、台数がそれほど見込めないと、プラットホームをガソリン車と併用しようとします。このモデルSは専用開発されたこともあり、電池の搭載レイアウトは、それ自身にて剛性を持たせプラットホームの一部としているなど、迷いのない構造となっています。ある意味、うらやましく思った次第です。
・また、シフト一つとっても、自動車会社では従来のガイドラインに縛られがちなのですが、ステアリング横のレバーにてPRNDが容易に操作できるなど、設計の自由度を感じます。
NVHへの対応
・電気自動車の場合、静かなだけに、より些細な音まで拾ってしまうことがあります。このモデルSは、生産が700番代で初期型製作車両なのですが、かすかにインバーターの音がするものの、極めて静粛性に富んだ仕様となっています。これは初代ロードスターからモデルSに進化した時、技術者が注力したポイントではないでしょうか。
走行フィーリング
・試乗したのは85kWhのクルマということもあり、2トンを超える車重を感じさせない軽快な走りを見せます。ふわふわ感もなく、また低速ではアクセル開度にて若干のDelayを入れているのでしょうか、とても安心してゆっくり加速が楽しめます。もう少し踏み込むと、いよいよ本領発揮で、ツィンのモーターが大トルクで素晴らしい加速を堪能できます。i-MiEVでも苦労したところなのですが、このモデルSも注意深く、ナチュラル感とパワーのレベルをチューニングしていることが伺えます。
急速充電対応
・今後日本に持ち込む車両は、急速充電器の仕様がチャデモ対応になるとのこと。現在の充電口にアタッチメントを装着する方式で、現在はまだ開発中とのことでした。これが実現するのであれば、あえて日本だけに採用するのではなく、全世界で採用していただきたいものです。
今回の試乗にて感じたことですが、TESLAはロードスターからモデルSへの移行の過程で、大きく脱皮したように思えます。短時間のため耐久的なことは判りませんが、従来のベンチャー色は感じさせず、しっかりとした物づくり感がそこにはありました。関係者はたいへんなご苦労されたと思いますが、車両の完成度を見るにつけ、元技術者として尊敬の念を抱いたしだいです。
最後に、TESLAの方によれば、このクルマ等を持ち込んで関西にて試乗会を行うようです。関西在住の方、お時間都合つけばぜひ体験してみてください。
http://teslamotorsjapan.blogspot.jp/2013/05/s_13.html