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クアルコムとIHIが見据えるEV向けワイヤレス充電の未来

アイティメディア/MONOistへの寄稿 第3弾をアップしました。今回は初回に引き続いてワイヤレス充電についてですが、ワイヤレス充電の場合、車体側よりグランド側が普及のカギを握ると考えており、それらに対して現在は動きが鈍いように思えたので、これらを中心に、徹底した取材と後半には自らの考えを述べています。

私自身もそうでしたが、企業の中にいると周囲がどのように動いているか見えなくなる場合があります。このように第三者から全体像を示すことで、動き始めることもあるのではと思っています。これからも、外部からの意見を発信し続けていきます。

   http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1306/18/news010.html

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ベタープレイス破綻で電気自動車の発展は遠のくのか

ベタープレイス破綻で電気自動車の発展は遠のくのか

ブログがきっかけで、アイティメディア/MONOistに急遽寄稿しました。ベタープレイス破綻に関し内容を書き直して充実させたものです。今回の件は残念ですが、もっといろいろな企業が出てくることを期待したいと思います。

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1306/05/news014.html

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Better Place社によるバッテリー交換方式

 Better Place社の破綻について思うこと 

2013年5月26日、バッテリー交換方式を提唱していたBetter Place社が裁判所に会社の解散と清算を申し出た。これについて考察してみたい。 

・バッテリー交換方式が生まれてきた背景

 Better Place社は2007年10月に創業している。創業者のシャイ・アガシ氏はSAPでの経験を元にEVのバッテリー交換をメインとする新ビジネスモデルを構築しようとした。当時(現在もそうであるが)、EVは1回の充電にて走行できる距離が短く、長くしようとすれば多くの電池搭載を必要とし、レイアウト面・コスト面から課題を抱えていた。これに対し、アガシ氏はバッテリー交換ステーションにてバッテリーパック毎交換する方法を用いれば、数分にて対応可能となりユーザーの利便性が高まると考えた。

・バッテリー交換方式の利点と課題

 バッテリー交換といえば携帯電話やデジカメを思い浮かべるが、クルマに適用する場合、少し異なる事情がある。

<利点>

・近くにバッテリー交換ステーションがあれば、バッテリーパックの交換は2~3分と極めて短時間に実施できる。チャデモ方式の急速充電で15分~30分要するのに比べ、圧倒的に短い。

・Better Place社は、ユーザーがBetter Place社から電池を借り受け、走行距離に応じて使った分のみ支払うというビジネスモデルを構築しようした。これは携帯電話などのサービスで見受けられる方法でもある。 

<課題>

最大の課題は、自動車メーカーがバッテリー交換方式EVの開発に積極的になりにくい事情がある。つまり、自動車メーカーは、バッテリーの中身及びレイアウトが基幹部品であることから、競争領域と定めている。しかし、バッテリー交換方式では、あるEVのバッテリーパックはライフにて同じもを使用することを要求する。つまり、今後どれほど進化するか判らないバッテリーに於いて、競争領域で差異化出来ないような手法を自動車メーカーは嫌う。

・2番目の課題はバッテリー技術の進化にある。EV黎明期ではバッテリーが著しく進化し、例えば同じ車種でも1~2年後にはバッテリーサイズが2/3に縮小していることが考えられる。自動車メーカーであれば、マイナーチェンジのタイミングをとらえバッテリーパック設計を変更してしまうことは可能であるが、バッテリー交換方式のように形状やロック位置を決められてしまうことは自由度を失う。

・3番目は種別拡大への対応である。1つの自動車メーカーで複数のEVがある場合、バッテリーパックはマイナーチェンジも含めて多数存在する。ましてや多くの自動車会社がEVを市場投入する場合、バッテリーは極めて種類が多くなるが、それをバッテリー交換ステーションで保有することが可能かという問題に直面する。

・4番目は品質保証への懸念である。自動車メーカーは、バッテリーも含めたトータルで車両の品質を保証している。もしバッテリー交換した車両にて、衝突時にトラブルが発生した場合、最終責任は誰が負うかという懸念が生じる。自動車メーカーは、他にてバッテリーパックを交換しているため車両全体の責任を負いにくく、またバッテリー交換ステーションは単にバッテリー交換しただけだから車両全体の責任は負えないとなるのではないか。

・ビジネスモデルの破綻か

 アガシ氏がSAP AG出身であり、携帯電話と同様にEVバッテリーのプロバイダーを目指そうと目の付け所は良かったと思われる。しかし、現時点ではEVがまだ黎明期にありバッテリーそのものが著しい進化の途中にあること。従って、固定された形状、位置を要求されることに自動車メーカーは許容できなかったことにあると思われる。つまり、ベタープレイスの破綻は、そのビジネスモデルの破綻というよりも、携帯電話とは異なる、自動車が持つ特異性に起因しているのではないか。

 

・EVの発展は遠のいたのか

 昨年から今年にかけて、A123システムズの経営破綻、フィスカーオートモーティブの身売りなどのニュースが続いているが、これらによりEVの発展が遠のいたとは考えにくい。むしろ、1908年にT型フォードが大ヒットすると、瞬く間に米国には多数の自動車会社が乱立、そして淘汰されていったことと同じように映る。

EVの黎明期は多彩なアイデアが浮かび世の中に提案していく。その中でどう本流をつかんでいくのか、各企業には淘汰されないための眼力が試されているのではなかろうか。

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http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1305/27/news072.html

 

第8回ドラッカー学会 総会&講演会

 第8回ドラッカー学会 総会&講演会

  2013年5月25日、早稲田大学小野記念講堂にて、第8回のドラッカー学会 総会と講演会が開催されました。総会は淡々と終了しましたが、その中で驚いたことが一つあります。昨年度は会員数が835名だったのですが、今年度は513名に激減しているとのこと。これは「もしドラ」ブームで急激に会員数が増加したものの、その後ブームの終焉とともに退会者が増えたようです。ある意味ブーム前の正常時に戻ったようであり、これからも地道に会員を増やしていきたいものです。さて、講演会の中で幾つか興味深いものがありましたので紹介します。 

・「組織の社会的責任」分科会活動の成果 北村 和敏 ドラッカーマネジメント研究会

 従来ISOと言えば、ISO 9001(品質マネジメントシステム)、ISO 14000(環境マネジメントシステム)が有名でしたが、2010年にISO 26000(社会的責任の手引)が発行された。これは、SR(Social Responsibility)と呼ばれているもので、公共並びに民間セクターとも、今後は社会的に責任ある方法にて、組織運営することを求めている。但しこれは自主的な手引きであり、ISO 9001などのような認証規格ではありません。従って、これら新規格が導入されるに当たり、従来規格との違いやどのような点に注意しなければならかをマネジメント研究会にて取りまとめたものの報告がありました。 

・「私にとってのドラッカー」野田 一夫  ドラッカー学会顧問、事業構想大学院大学学長

 野田先生は、ドラッカーのマネジメントを日本に導入した先駆者であり、また米国の大学に留学時は、たびたびドラッカー邸を訪れる友人だったようです。このようなことから、当時日本にまだ馴染みがなかったマネジメントの概念を導入した時のご苦労や、近くで直接ドラッカーを見てこられたことから、ドラッカーの人なりを紹介いただきました。ドラッカーは日頃「マネジメントとは、ビジネスに心を与えるものである。」と主張されていたとのこと。また最近の「もしドラ」ブームや、「1分間で判るドラッカー」のような風潮に警鐘を鳴らし、学会としてはもっと高みを目指せとアドバイスいただきました。 

・「渋沢栄一の論語と算盤で未来を拓く」 澁澤 健 コモンズ投信会長

 澁澤健さんは。渋沢栄一氏の末裔に当たり、ご自身から見た渋沢栄一氏の歴史観や事業感について紹介いただきました。その中で強調されていたのは、「歴史は繰り返すことはないが、リズムや周期性というのは繰り返すことがある。」そして、現在は1990年から始まった次の30年周期に当たるかもしれないとのことです。

 また、渋沢栄一氏の行ったことは、資本主義というより、合本主義(つまりそれを行うことで、共感を高め、有効性をより高めていこう)とするものであり、今で言う”Corporation”に当たるのではとコメント。明治初期は景気が良かったように見えるが、実はかなり振幅が大きく、不況となった時も「もっと元気を持て!」と鼓舞し、大胆に剛健に大きなリズム感でとらえるように説いていたようです。

 渋沢健氏は、渋沢栄一氏の「論語と算盤」を現代に当てはめると、現状維持することは資源の先食いとなってしまい、我々が目指すべきものは、資源を再配分し持続性(まさにサステナビリティ)を保つことこそ意義があると主張されました。また、最後にリーダーに要求される資質とは、“智”“情”“意”をバランスよく兼ね備えた「倫理的理解力が要求される」とも。100年以上前に起こったことですが、現代・そして未来に通じるものがあると思った次第です。

「ピーター・ドラッカーの経営哲学とドイツの優良中小企業」Ph.Winfried Weber ドイツ・マンハイム大学教授

 ドイツに於いても、経営者調査を行ったことがあるが、やはりピーター・ドラッカーは最も有名である。ドイツといえば、大企業が連想されるかもしれないが、ドラッカーの思想を勉強し、それを実践しているものに、ドイツの優良中小企業がある。典型的な例として、ほとんどはファミリー企業であり、どちらかと言えば徒弟制度を採用し、イノベーションと企業家精神を兼ね備えている。彼らはドラッカー精神を引き継いでおり、また日本にも素晴らしい技術を持った中小企業が存在していることから、今後ドイツと日本にてお互いにコラボレーションが発展していく可能性があるのではないだろうか。

ドラッカー総会S 上田惇生先生S

 

CHAdeMO協議会総会

CHAdeMO協議会総会

2013年5月22日、東京ビックサイトにて開催されたCHADeMO協議会総会のパネルディスカッションにモデレーターとして参加しました。昨年までは自動車会社の幹事会メンバーという役割だったのですが、今年は独立したこともあり、中立的な立場から参加させていただいたわけです。 

ご存じの方もいると思いますが、CHAdeMO協議会は電気自動車には欠かすことの出来ない急速充電器について、技術の横通しと普及を目指して2010年に設立されました。今年は経済産業省より、1005億円にも及ぶ充電インフラ導入補助金政策が打ち出されたこともあり、「充電インフラ整備推進事業の期待と貢献」というタイトルにてパネルディスカッションを開催したものです。 

パネル参加者は、大阪府、和歌山県、日本EVクラブ、ジャパンチャージネットワーク、充電網整備推進機構、日産自動車と多彩なメンバーが揃いました。その中で、自治体を中心とする充電インフラ整備事業推進のポイントや、日本EVクラブからのユーザー目線に立った利用者の満足度をより高めるための観点から議論出来たことはとても有意義でした。これらの知見をぜひとも他に広めていきたいものです。

パネルディスカッションの写真

http://www.chademo.com/wp/japan/